間接加熱蒸留
現在、すべて芋焼酎は直接加熱蒸留器で蒸留されている。焼酎の蔵元は切磋琢磨し醸造の部分や原料の変化・改良によって焼酎の可能性を広げようとしている。
世界の蒸留酒を見てみると、醸造ではなく蒸留器の改良によってお酒の可能性を見出している。※主にブランデーやグラッパに使用。
その差に疑問を抱いた佐多宗二では、まだ日本の蔵元があまり手をつけていない、蒸留に焦点を当て新たな焼酎造りに挑戦しています。それが間接蒸留器を使った焼酎造りです。
2006年、赤屋根製造所が完成(間接加熱蒸留器専用の製造所)。
最初に梅のスピリッツ、その後リキュール、ブランデーと様々な蒸留酒に挑戦してきました。その蒸留酒造りへの挑戦と経験を通じて、いつの日か焼酎造りに新たな息吹を与えてくれると信じたことにより、自由な発想の仕込みができる蔵になってきました。
芋焼酎を造る上で、醪(もろみ)を蒸留器の釜に入れ、加熱し沸騰させアルコールを抽出する工程を「蒸留」といいます。
常圧式直接加熱蒸留器
芋焼酎の蒸留方法
芋焼酎のもろみは粘性が高いため、蒸気で希釈しながら加熱しないともろみが焦げてしまいます。
蒸留釜内に差し込んである蒸気配管より直接もろみに蒸気を当て、もろみを動かしながら温めます。
この方法は粘性の高いもろみをいかにスムーズに蒸留するかを考え、日本人の知恵によって生み出された蒸留方法です。
常圧式間接加熱蒸留器
世界の蒸留酒の蒸留方法
蒸留器の外側を蒸気で温めもろみを間接的に温めます。(鍋を火で温める方法と一緒です)
蒸留器外側を覆うスチームジャケットに蒸気を入れ、温める方法です。
この方法は、フルーツブランデーやグラッパ等、世界の蒸留酒が古くから使用している原始的な蒸留方法です。
2012年秋、この「常圧式間接加熱蒸留器」を使って、最初の芋焼酎を蒸留しました。
赤屋根製造所を本格始動し、同じもろみでも蒸留器の違いにより新しい酒質の焼酎ができると実感しました。
蒸留酒としての芋焼酎の新たな可能性を感じていただきたいです。
実際に間接蒸留器で造った焼酎の味わいの変化が衝撃的でした。その蔵元の熱い思いに賛同した特約店でのみ限定販売を始めました。
間接加熱蒸留器の焼酎と直接加熱蒸留器の焼酎をブレンドした、まったく新しい焼酎ができました。間接加熱蒸留の焼酎の割合を変えて商品化しています。これからの焼酎の可能性を広げるまったく新しいタイプの焼酎です。
また、佐多宗二では間接加熱蒸留器でアップルブランデーやコンコードブランデーも造り、それで梅酒も漬け込み商品化しています。